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アクティブ・ラーニング:教員コラム 第6回 アクティブ・ラーニングとは(土本康生)

  • # アクティブ・ラーニング
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叡啓大学の授業はアクティブ・ラーニング型で実施するとされています。アクティブ・ラーニングの学術的な定義はそれなりにあるとして、実際にはそれぞれの学習者や教員が自分なりの定義を持ちながらアクティブ・ラーニング型の授業に取り組んでいるように思えます。振り返ってみれば情報通信技術を専門とする僕が担当する授業は座学スタイルではなく、授業に参加する学生がコンピュータに向かい自分の手を動かして学習を進めることが前提になっています。座って聞いているだけで終わる授業はありません。コンピュータを使うことが前提になっている授業をアクティブじゃない方法でやる方が難しい。だから「アクティブ・ラーニングって何?」って考えたこともありませんでした。だから、あらためて考えてみました、アクティブ・ラーニングってなんだろうって。

そもそも大学での学びってなんでしょう?世の中には大学に通わず独学でコツコツと本と向き合って深く学び専門性を高め、学会で注目されるような成果を残す人もいらっしゃいます。また、社会が激しく変化する今、大学時代に学んだことだけで働き続けられる人は多くないでしょう。大学を卒業した後も学び続けなければいけない。その人は新しい生活の糧を得るために大学に進学して学びなおすのでしょうか。もちろん、そういう方もいらっしゃいますし、その方の努力は素晴らしいですが、大学に通う間の収入は…と考えると現実的には難しく、結局のところ自分で学び続ける方が多いように思います。では、あなたはどうして大学で学ぶのでしょう?例を先に示したように知識を得るだけであれば必ずしも大学に通う必要はありません。「大学ぐらい卒業してないと就職できないから」「親が大学ぐらい出ときなさいっていうから」、そんなことを言う学生は叡啓大学にはいないと信じたいですが、大学に通う理由を考えてみるとアクティブ・ラーニングとは何かが浮かんでくるように感じます。

大学に通ってくれば、そこには志を同じくする仲間がいます。また学生を支える教員や職員がいます。大学に通えば、自分が学んだことを仲間や教職員と議論できます。自分の考えを仲間や教職員にぶつけ、自分の考えが正しかったことを確認できたり、間違っていたことにも気づかされたりもします。学びは授業の中だけ、教室の中だけで行われているわけではありません。自分の大学での学びを振り返ってみれば、教室や本で学んだことよりも教室外で仲間や教職員と話をしたことを多く思い出します。大学に来ればそういう場を容易に得られる。僕にとっては、それが大学に通う、大学で学ぶ理由だったように思います。これこそがアクティブ・ラーニングではないでしょうか。振り返ってみると、新型コロナウイルス対策により日本中の多くの大学が授業をオンラインで提供せざるを得なかった状況で、こういった学びの場を提供しづらかった、提供できなかったのは大きな反省点だと思っています。

一方、叡啓大学では大学での学びは大学外にもあると考えています。大学で学んだことを、仲間や教職員と議論したことを、実際に世の中で実践してみる。その実践から学べることは本当に多い。また、学びは少ない状態かもしれないけど世の中で挑戦したことにより自分が学ぶべきことに気づき、大学に戻ってきて学ぶ。そういう「学びのスパイラル」が大切だと考えています。大学生の間は自分の全ての時間を学びに向けられます。学内での学び、学外での学びを可能な限り繰り返して欲しい。それにより学んだことの活かし方が身につくと考えています。僕が専門にしてきたインターネット技術の研究活動は「右手に研究、左手に運用」をキャッチフレーズに掲げていました。研究活動で明らかになったことを実際に使ってみる。それにより研究成果の有用性が明らかになったり、新たな課題が見つかったりします。また、学びは少ない状態ながらも実際にインターネットを自分たちで構築して運用してみると新たな研究課題が見つかったりする。そういうスパイラルを意識しながらやってきました。僕と活動のジャンルは違えど、あなたのやりたいことも学びと実践のスパイラルで大きく成長できるはず。

アクティブ・ラーニング中心の授業しかしてこなかった僕があらためて考えた「アクティブ・ラーニング」は、「大学の中での学びと大学の外での学び」と「学びと実践」、これらの二つの両輪だと言えそうです。そう思うと叡啓大学でアクティブ・ラーニングができるかどうかは、自分の学びの中心にいるあなた自身が、どれだけ仲間や教職員と議論するか、いかに学んだことを実践していくか、いかに学びにつながる挑戦をするかに関わってくるような気がします。

いかがでしょう?あなたが考えるアクティブ・ラーニングとはどんなものですか?大学での学びを通じて考えたあなたが考えるアクティブ・ラーニング、教えてください。

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